なんひろの需給図鑑

あなたの理解できないその動き、ちゃんと'ワケ'があります!

まさかとは思いますが、この「クジラ」とは、あなたの想像上の存在にすぎないのではないでしょうか?

こんにちは。昨日はザラ場はすさまじい動きでしたね。昨日の動きは記録する価値があるかと思います。

 

 

 

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【全市場値上がりランキング】

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始値比ランキング】

東証一部

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日経225

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東証二部

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・マザーズ

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JASDAQ

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さて、前回のブログでは日銀のETFの仕組みについて書きましたが、実はこれは日銀の買い入れの仕方を理解することが本当の目的ではなく、日銀の買い入れがどこの売買主体に含まれるか明らかにすることで、市場に蔓延る「クジラ」の正体を明らかにしようとするものです。今回はその導入です。

club109.hatenablog.com

 

日経平均株価は日本経済の本格的な回復期待や、GPIFを始めとする巨大年金基金のポートフォリオ改変に伴う先高感などによって2015/6/26にはITバブル期高値20833円を突破し、20952円まで値を付けました。

さて、ここで気になっているのはいわゆる「クジラ」の買い入れについてです。現在のところ確認されているクジラは8匹です。(いっぱいいますね...)

日本銀行年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)、ゆうちょ銀行、かんぽ生命、国家、地方公務員共済、私学共済、公務員共済組合連合会(KKR)、銀行等保有株式取得機構

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かのクジラたちの買い付け余力は30兆円近くと言われており、マーケットに与える影響は年初からITバブル高値を超えるまで一貫して日経平均株価は上がり続けましたが、マーケットでは大きな買いが入ると何でもかんでもクジラクジラと叫ばれ、高値でも買われる理由をクジラ(またはクジラの買い入れに伴う先高感)のせいにしてきました。でも、本当にそうなのでしょうか?

getnews.jp

 

これが投資主体別売買状況と日経平均株価の推移をまとめたものです。

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上記に挙げた年金基金の買いは、信託銀行経由で行われるので、投資主体別売買動向には信託銀行の買いとして記録されると言われています。

前回に述べたように、もし日銀の買いが自己に計上されるとしたら、信託銀行の買いは多くが年金基金ということとなり、年金基金による買いを推測することが出来ます。

 

ここからは2つのことがわかります。

2014年内は高値でも年金基金は買いに行っていること。

10月31日の追加緩和以降、日経平均株価は大きく値を上げましたが、信託銀行は強気に買いを入れていっている様子が見て取れます。通常であれば、年金基金の行動上、下げた時に買いを入れ、上げた時に売るという行動を取るはずですが、おそらく上げても売らず、下げた時に大きく買いを入れていたのではないかと推測します。追加緩和直後以降は大きく入ってこなかった外国人投資家の買いを補完し、日経平均株価の上昇を支えたと言ってもいいと思います。

 

2015年3月以降、信託銀行(年金基金)が売りにまわったこと。

日経平均株価が心理的な節目18000円を抜いてからは信託銀行のオペレーションに明確な変化が見られます。

日経平均株価が上昇する中で信託銀行は売りオペを始めています。これは年金基金が日経平均株価が18000円以上を天井と判断したのかもしれませんし、それともポートの組入率の関係なのかもしれません。私は、2014年に仕込んでいた株式の価格が2015年に入り大きく上昇し、(この時期としての)組み入れ比率的に十分なラインに到達したからだと考えています。実はクジラはお腹いっぱいなのかも...

しかしながら、マスコミがクジラクジラと騒ぎ始めたのは春先頃と記憶しています。アナリストも一斉にクジラの存在を下値支えの理由としていました。

 

 

 

しかし、実際には信託銀行はむしろ売っている方が多いですね。彼らの言うクジラとはいったい何なのでしょうか?クジラクジラと騒いでいながら、実はクジラなんていなかったのかもしれません(!)

春先からは信託銀行から外国人投資家にタッチ。大量保有報告書を見る限り、ブラックロックがこの相場を作っていたのではないでしょうか?

 

まさかとは思いますが、この「クジラ」とは、あなたの想像上の存在にすぎないのではないでしょうか?

 

次回に続きます。

次回は実際にGPIFなどのポートフォリオを見て行きたいと思います。